10 月 04
ようこそ。ビューティフルワールドへ。
せかいは、そう、すこしでも美しくなければ。
書評をするのはとても久しいことなのだが、この50幾年に渡る物語もようやく終わりを遂げた。
これはどこか50年や20年前昔の遠く遠いお話ではなく、僕たちが生きる今のお話。
ようやくたどりついたこの現代で、わたし、赤朽葉瞳子には語るべき新しい物語はなにもない。なにひとつ、ない。紅緑村の激動の歴史や、労働をめぐる鮮やかな物語など、なにも。ただわたしに残されているのは、わたしが抱える、きわめて個人的な問題だけだ。それはなんと貧しい今語りであることか。
しかし、もしもこの先もユタカと分かれずにいて、何年かして結婚することになったら、わたしは祖母も母もしなかった唯一のこと、つまり恋愛結婚をする女になるのだ、とふと気づいた。これからどうなるのか、未来派まだぜんぜんわからないけれど。
読んでいて、特別思想に喚起を起こさせるほどの衝撃は無かったが、何より、ただただ、美しい――。
君が桜庭一樹という一個人に恋しているのであれば、読まない理由などあるわけがないだろう?
評点: ★★★★☆






Recent Comments