書評 - 『赤朽葉家の伝説』

yasu Add comments
タグ:
add to hatena hatena.comment (0) add to del.icio.us (0) add to livedoor.clip (0) add to Yahoo!Bookmark (0) Total: 0

赤朽葉家の伝説

ようこそ。ビューティフルワールドへ。
せかいは、そう、すこしでも美しくなければ。

書評をするのはとても久しいことなのだが、この50幾年に渡る物語もようやく終わりを遂げた。
これはどこか50年や20年前昔の遠く遠いお話ではなく、僕たちが生きる今のお話。

ようやくたどりついたこの現代で、わたし、赤朽葉瞳子には語るべき新しい物語はなにもない。なにひとつ、ない。紅緑村の激動の歴史や、労働をめぐる鮮やかな物語など、なにも。ただわたしに残されているのは、わたしが抱える、きわめて個人的な問題だけだ。それはなんと貧しい今語りであることか。
しかし、もしもこの先もユタカと分かれずにいて、何年かして結婚することになったら、わたしは祖母も母もしなかった唯一のこと、つまり恋愛結婚をする女になるのだ、とふと気づいた。これからどうなるのか、未来派まだぜんぜんわからないけれど。

読んでいて、特別思想に喚起を起こさせるほどの衝撃は無かったが、何より、ただただ、美しい――。
君が桜庭一樹という一個人に恋しているのであれば、読まない理由などあるわけがないだろう?

評点: ★★★★☆

Leave a Reply

WP Theme & Icons by N.Design Studio
Entries RSS Comments RSS ログイン